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カメのきた道

オサガメの主食はクラゲです。
クラゲは体の大半が水分ですから、オサガメにとってはとても効率が悪い食料なのです。
それでも、オサガメはクラゲを食べることに適応しています。
口から食道にかけて五センチもある刺が胃の方向を向いて並んでいて、海水と一緒に飲み込んだクラゲを海水を吐き出すさいに切り刻むような仕組みを持っています。
さらに、クラゲの行動パターンに合わせて潜水を繰り返していて、なんと最大1200メートルの深さまで潜った記録もあるということです。

 

二億三千万年前、陸上の動物たちは過酷な生存競争を生き抜くため、現在まで受け継がれる三つの戦略を選んだ。
一つは、恐竜に代表される爬虫類が採った方法であり、極限までの大型化とエネルギーの効率化をめざした。
二つ目は、われわれ哺乳類が採った戦略であり、極端に小型化し、絶え間なくエネルギーを補給しつづけ、恐竜の足元で活発に走りつづけた。
この二者に紛れてひっそりと第三の戦略を採った動物がいた。それこそ、本書の主役であるカメたちである。
彼らは、やたらに大きくなることも、せわしなく動き回ることもなく、それでいて同じ大きさの哺乳類ではあり得ないような寿命を持つようになった。

 

カメの採った第三の道「低代謝」という戦略は、ビジネスの現場においてもひとつの示唆になる得るのでは無いでしょうか。